共感できる相手を見つける方法
共感しあえる、という言葉がありますが、
どんな意味で使っていますか?
心理学において、共感は
「感情的共感」と「認知的共感」
に分類されます。
感情的共感は、相手の感情を自分も
感じること。
一方、認知的共感は、相手の感情や視点を
理解する能力を指します。
前者は、価値観が似ている相手、
自分と相手が同じような境遇、
同経験をしてきた相手に対して、で
あればスムーズに行えますが、
そうではない場合、
あの人わからないわぁ~と
なったり、なんで私のことを
わかってくれないの?と
ネガティブなことになります。
例えば、あ、この人、この会社、
私と価値観が一緒!と嬉しくなっている時は
私のことをわかって、受け入れてくれる人、と
思うものです。
しかし、なかなかこういう相手と
めぐり合うって難しいものです。
特に大人になってからは。
それはそうです、今まで生きてきた過程、
家庭環境、いろんなことが異なるから、
です。
似ているようで、まるで一緒の人なんて
いません。
姉妹だって同じ家庭に育っても
すべてが一緒ではないですもんね。
だから、感情的価値観が一緒の
会社やパートナー、友人を
みつけるなんて、奇跡中の奇跡。
そこで大人だからこそ、意識するといいのが
認知的価値観。
改めて言葉の意味を見返してみましょう。
認知的共感は、相手の感情や視点を
理解する能力のこと。
気持ちで理解できなくていいんです。
相手の感情や視点と
同じものを経験してこなければ、
その人を見ているだけではわかりません。
私はキャリアカウンセラーなので、
認知的共感を使っています。
でないと、自分と近い経験の人しか、
サポートできなくなります。
では、何をしているのか、というと、
その人に起こった事実と気持ちを
聞いていくのです。
例えば、相手に悩みや怒りを感じることが
あったとします。
そんな時、どう感じているのか、
なぜその気持ちになったのか、
この人のその気持ちが生まれるような
原体験になることは?
これらの情報がなければ、カウンセラーは
寄り添うことができません。
だから聴くのです。
自分に起こった出来事でも、
認知的共感を使うと、うまく解決できる
ことがあります。
例えば、自分とは価値感の違う、
苦手な人がいたとします。
あの人嫌い、で片付けるのは、まだまだ
お子ちゃまです笑
なぜ私はあの人が苦手なのか、
どの部分、どんな行動が苦手なのか、
どうだったらイヤだと思わないのか、
まず自分に問いかけます。
次に相手について想像します。
私が苦手だと思うあの人は、
どうしてそんなことを言うのか、
あの人の過去ってどんなだったんだろう。
本当は相手についても情報が可能な限り
集められると認知的共感が進みますが、
そうもいかないケースも多いと思いますが、
できるだけ想像力を働かせます。
ジェネレーションギャップだってそう。
あの上司、苦手!理解できなくて嫌い!と
思う年配の上司がいたとします。
そんな時、その人の時代背景を知り、
その中で生きてきたその人をイメージすることで
少しでも認知ができます。
瞬発的に出てきた感情で片付けず、
深く知ることで、違う策が出てくることが。
今や多様性が広がっている時代です。
この認知的共感力を磨くと、
生きやすくなるのではないでしょうか。
そしてもうひとつ。
自分のことをわかってもらいたい、と
思ったら、認知的共感を得るために
たくさん自分の情報を相手に出してみて
ください。
認知的共感ができる相手であれば、
なるほどね、そういうことかあ、
だからそういうことを言うんだね、と
受け止めてくれることでしょう。
お互いがそれ、できるようになると
いいですね。